【読書感想】ダイエット中でも心がほどける。柚木麻子『BUTTER』が教えてくれた“食べること”の意味

女爵芋

こんにちは♪女爵芋です!

今回は、最近読んだ一冊の小説!柚木麻子さんの『BUTTER』について、ダイエット真っ最中の私(笑)が、心から感じたことを書いてみようと思います。

バター。

その響きだけで「高カロリー」「太る」と身構えてしまうのは、きっと私だけじゃないはず…!

実際、今の私は日々カロリーとにらめっこしながら、甘い誘惑を断ち切ろうと頑張っています。

でも、この『バター』という小説を読んで、

「食べることって、本当はもっとあたたかくて、自由で、誇っていいことなんじゃないか」

そんなふうに思えたんです。

あらすじ:ミステリー?いや、これは「女性の心の物語」

物語の主役は、ある“事件”を起こしたとされる女性・梶井真奈子。

彼女は決して美しいとは言えない容姿ながら、包み込むような包容力と手料理で、多くの男性を惹きつけてきた。

事件として報道されてからは彼女のその独特な魅力によって世間の人々から興味本位の目を向けられます。

そんな彼女に会いに行く週刊誌記者の里佳。

取材を重ねるうちに、「食べること」「女性として生きること」「社会との向き合い方」など

さまざまなテーマがじわじわと浮かび上がってきます。

ミステリー的な要素はあるけれど、

これは間違いなく、“心の深いところにある孤独や渇き”に向き合う物語でした。

食べ物の描写が、五感に刺さる…!

とにかく、食の描写がえげつないほどリアル。美味しそう。罪深い。

ホットケーキにとろけるバター。

煮込まれて香るシチュー。

静かに焼かれるクッキーの音まで聞こえてきそう。

でも不思議なことに、「あ〜食べたい!」だけじゃなくて、

読んでいると胸がじんわり温かくなって、ちょっと泣きたくなるんです。

もしかしたら私はずっと、

“美味しい”という気持ちさえ我慢してきたのかもしれない。

「痩せなきゃ」「無駄なカロリーはNG」って、

食べることすらジャッジして、自分を締め付けていたのかもしれない。

『バター』は、そんな鎧をふっと溶かしてくれました♡

特に私の心を掴んだのは、「エシレバター」が登場する場面。

エシレバターとはフランス産の高級発酵バターです。

物語では、そのエシレバターを分厚くスライスしたパンにたっぷり塗って、

香ばしく焼き上げたトーストからバターがじゅわっと溶け出す描写があり…

もう、想像するだけで幸せの極みなんです!!!

“女性”であることのしんどさも、そっとすくってくれる

この小説の中では、食事だけじゃなく、

“女性であること”の不自由さや息苦しさも描かれています。

たとえば…

・若くて細い可愛い女の子が「正解」だと思い込んでしまうこと

・周囲の“ちゃんとした人像”に合わせて生きなきゃと思ってしまうこと

・「休む」ことや「食べる」ことに後ろめたさを感じてしまうこと

・SNSを見ては自分と比べて落ち込んでしまうこと

…あるあるすぎて、読んでいて何度もうなずいてしまいました。

だけどこの作品は、それを責めたり否定したりしないんです。

「そう感じるの、あなただけじゃないよ」って、

隣に座って話を聞いてくれるような、そんな優しさがありました。

ダイエットも、生き方も、“自分のペース”がいちばん

読み終えたあと、すーっと呼吸が深くなった気がしました。

「痩せたい」も「可愛くなりたい」も、もちろん大切。

でもそれと同じくらい、

「美味しい」「幸せ」「満たされた」って感じる心も大事にしたい。

バターを怖がるんじゃなくて、

バターを感謝して美味しく食べる。

『バター』という作品は、私にそんな感覚を思い出させてくれた気がします。

まとめ:忙しくて疲れているすべての人に読んでほしい

『バター』は、社会に馴染みながらも“何か足りない”と感じている人の心に、

じわりと沁みこむ、大人のための癒しの文学です。

がんばりすぎているあなたも、

自分にOKが出せないでいるあなたも、

そして、ダイエットでバターを避けているあなたも!!

ぜひ手に取ってみてください。

一口のバターが、思いがけず心をほぐしてくれるかもしれません。

マーガリンではなく、バターですよ!笑

それではまた次回のブログで♡

女爵芋でした!

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