今回は、東宝(9602)の株主優待を使って、TOHOシネマズで観てきた、
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』の感想レポです。

■ 東宝(9602)の株主優待で鑑賞
まずは少しだけ優待のお話です。
東宝の株主優待は、100株以上で全国のTOHOシネマズで使える「映画株主ご招待券」が年2回もらえます。
これ、本当にありがたいんです。
IMAXでも追加料金を払えばOK。
超大作こそ優待で観たいですよね。
今回は迷わずIMAX。
だってあのアバターですから!!
■ シリーズここまでのおさらい
・まず第1作『アバター』
物語の始まり。
地球は資源不足。
人類は惑星パンドラにある希少鉱物を狙います。
元海兵隊員ジェイク・サリーは、
ナヴィ族の身体(アバター)を使って潜入。
最初は任務のためでしたが、
ナヴィ族の文化や自然と心を通わせ、考えが変わります。
そして最終的に――
ナヴィのネイティリと恋に落ち、人類ではなくナヴィとして生きる道を選びます。
この作品は、とても分かりやすい構図でした。
人類=侵略者
ナヴィ=自然と共に生きる存在
青い世界が本当に美しくて、息をのんだのを覚えています。
・第2作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
テーマは「家族」。
ジェイクとネイティリには子どもが生まれます。
長男ネテヤム、次男ロアク、最年少のトゥクティレイ、養子のキリ、同じく養子のスパイダー
しかし人類は再びパンドラへやってきます。
ジェイクは家族を守るため、森を離れ海の部族へ移動します。
そして衝撃の展開。
長男ネテヤムが戦いの中で死亡。
ここで物語は一気に重くなります。
ここから物語は「戦い」よりも「喪失」へ重心が移りました。
そして今回、第3作『アバター:ファイヤーアンドアッシュ』
テーマは――
「怒り」と「赦し」。
■ 登場人物紹介
● ジェイク・サリー

元人間。今は完全にナヴィ。ネイティリの夫。
家族を守ることが最優先。
でも理想と現実の間で揺れています。
● ネイティリ

ナヴィ族の誇り高き戦士。ジェイクの妻。
しかし長男を失い、怒りを抱え続けています。
今作ではかなりダーク寄りです。
● ネテヤム(死亡)

長男。理想の息子。
彼の不在が物語の根にあります。
● ロアク

次男。兄に劣等感を抱いています。また、兄の死に責任を感じています。
でも芯は強い。
今作で一番成長します。
● キリ

不思議な少女。ジェイク一家と血は繋がっていませんが家族として生活しています。
エイワと強く繋がっています。
巫女みたいなポジション。
● トゥクティレイ(トゥク)

末っ子。ずっと男の子だと思っていましたが、女の子でした。
無邪気で可愛い存在。
でもちゃんと勇気があります。
● スパイダー

人間の少年。
クオリッチの実の息子。小さい頃からジェイク一家と生活しており、家族の一員となっている。
今作のキーパーソン。
● クオリッチ

人間陣営の敵。一度死んだと思われたが、遺伝子再生で復活。スパイダーの父親
● ヴァラン

新キャラ。アッシュ族のリーダー。
火山噴火で文化が崩壊した部族の長。
エイワを恨んでいます。
■ あらすじ
ネテヤムの死から数年。
ジェイク一家は岩礁地帯でメトカイナ族と暮らしています。
でも、家族はまだ立ち直れていません。
ネイティリは怒りを抱えたまま。
ロアクは兄を超えられない自分に苦しみ。
キリは静かにエイワと向き合い。
スパイダーは相変わらずマスク生活。
そのスパイダーの安全を考え、
ジェイクは森へ戻す決断をします。
ウィンド・トレーダーズ(トラリム族)に同行し、旅へ出発。
しかし途中でアッシュ族に襲撃されます。
アッシュ族は火山噴火で文明が崩れたナヴィ。
彼らはエイワを恨んでいます。
ここが今回の大きなポイントです。
ナヴィ内部の対立。
ジェイクたちはバラバラになり、
子どもたちは捕まり、
スパイダーのマスクが切れます。
そこでキリが祈ります。
森の菌糸がスパイダーを包み込み、
彼の体は変化。
パンドラで呼吸できる存在へ。
ここ、鳥肌でした。
スパイダーは選ばれたのでしょうか。
その後、RDAとアッシュ族が接近。
クオリッチはヴァランに武器を与え、手を組みます。
そしてついに総力戦。
ジェイクは再びトルークに乗り、
トルーク・マクトとして種族を結集。
空・海・森すべてで戦い。
浮岩でのジェイクとクオリッチの対決。
スパイダーが落ちそうになり、
クオリッチが助ける。
さらにジェイクがクオリッチを助ける。
この三人の構図、胸が締めつけられました。
最終局面では、キリ・スパイダー・トゥクの祈りで
パンドラそのものが反撃。
地場の柱が立ち上がり、RDA壊滅。
戦いは終わります。
スパイダーは正式にナヴィの一員に。
クオリッチは生死不明。
■ 今回の物語の本質は何だったのか
今作のテーマは
「怒りは、家族を守れるのか?」
これに尽きると思います。
そしてもう一つ。
「選ばれること」と「選ぶこと」の違い。
この2本柱で物語は動いていたと感じます。
■ ネテヤムの死は、まだ終わっていなかった
第2作でネテヤムが亡くなったとき、
物語は一度「喪失」を描きました。
でも今回わかったのは、
ネテヤムの死は“過去”ではなかったということです。
彼はずっと家族の中にいました。
・ジェイクは「守れなかった父」になった
・ネイティリは「奪われた母」になった
・ロアクは「兄に劣る弟」「兄を殺した弟」になった
つまりネテヤムの存在は、
“理想の象徴”として家族を縛り続けているんです。
だからこそ、今作は「前に進めない家族」の物語でした。
■ ジェイクの葛藤はとても人間的
ジェイクは強いです。
戦士としては完璧。
でも父としては、迷いだらけ。
特に衝撃だったのは、
スパイダーを犠牲にしようと考えた場面。
あれは冷酷ではなく、
「もう誰も失いたくない」という極端な防衛反応。
人は追い詰められると、
正しさより安全を選ぶ。
ジェイクは英雄ではなく、
追い詰められた父でした。
だからリアルなんです。
■ ネイティリは“怒りの化身”
今作のネイティリは本当に怖いです。
かつては森の美しさの象徴でした。
でも今回は刃そのもの。
彼女はエイワを信じています。
でも同時に、エイワを責めたい気持ちもあるはず。
「なぜ息子を守らなかったのか」
怒りは外に向いているようで、
実は内側に向いている。
彼女がスパイダーを完全には拒絶できないのも、
どこかで“母”だからです。
怒りだけでは生きられない。
その揺れが痛々しかったです。
■ スパイダーという存在の意味
スパイダーは今作最大の鍵です。
彼は人間。
でもナヴィに育てられた。
どちらにも完全には属していない。
そしてエイワによって体を変えられました。
ここ、すごく重要です。
彼は「選ばれた存在」なのか?
それとも「必要だから変えられた存在」なのか?
もしエイワが意思を持っているなら、
スパイダーは人間とナヴィの橋渡し役。
つまり未来の象徴。
人類とナヴィのどちらかが滅びるのではなく、
“混ざる未来”の可能性を示唆しています。
だからクオリッチも、ジェイクも、
彼を手放せない。
スパイダー自身は血よりも自らの選択で生きる存在です。
■ クオリッチは本当に悪なのか?
クオリッチはシリーズ通しての敵。
でも今回は違いました。
浮岩の場面。
スパイダーを助ける瞬間、
彼は兵士ではなく父でした。
さらにジェイクが彼を助けたこと。
あれは象徴的です。
敵を完全に切り捨てなかった。
つまり物語は
「敵を滅ぼす話」から
「敵とどう向き合うかの話」に変わっています。
これはかなり大きな変化です。
■ アッシュ族の意味
アッシュ族は「もしナヴィが怒りに支配されたら?」という姿。
火山噴火で生活が崩壊。
エイワへの信仰が揺らぐ。
彼らは自然と共に生きる民ではなく、
自然に裏切られた民。
だから武器を受け入れる。
ここが怖い。
怒りは、外部から来るだけではなく、
内部からも生まれる。
ナヴィも完璧ではない。
人間=侵略者
ナヴィ=自然と共に生きる存在
という善悪の単純構図は崩れました。
■ キリの祈りは何だったのか?
最終決戦で、キリ一人では足りなかった。
スパイダーとトゥクが加わる。
ここ大事です。
奇跡は“特別な一人”では起こらない。
繋がりが力になる。
パンドラが動いたのは、
血ではなく「心が揃ったから」。
このシリーズがずっと描いているのは、
神秘ではなく“繋がり”です。
■ ロアクの成長は希望
ロアクはずっと兄の影を追いかけていました。
でも今回は自分で選びました。
パヤカンと向き合い、
自分の正義で動いた。
父の命令ではなく、
自分の信念。
世代交代の始まりです。
ジェイクの時代から、
子どもたちの時代へ。
■ 今作の一番のメッセージ
私はこう感じました。
怒りは、正しい。
しかし、怒りだけでは未来は作れない。
ジェイクは敵を助け、ネイティリは完全には壊れなかった。
スパイダーは人間の父クオリッチとナヴィの父ジェイクの両方を選んだ。
人間とナヴィ、どちらにとっても完全な勝利ではありません。
でも完全な破壊もありませんでした。
そこが希望に繋がります。
■ 映像と演出について
炎と灰の描写は圧倒的。
火は破壊の象徴、そして灰は終わりの象徴。
しかし、灰は再生を意味することもあります。
例えば、
不死鳥は自ら炎に包まれて灰になり、そこから再び生まれ変わるという伝説の鳥です。
ここでは灰=再生・復活・永遠の命の象徴とされています。
また、キリスト教には「灰の水曜日」という、
復活祭前の悔い改めの期間の始まりがあります。
灰は「死」「罪」「人間のはかなさ」を象徴しますが、その先にあるのが復活祭です。
つまり、灰は“終わり”でありつつ、復活への準備段階という意味も持つと私は考えます。
タイトルの「アッシュ」は、
終わりではなく再生の準備。
重たいけど、前向きです。
■ シリーズはどこへ向かうのか?
1作目は侵略。
2作目は喪失。
3作目は怒りと赦し。
次はおそらく「共存」へ向かうのではないでしょうか。
スパイダーがその鍵となります。
クオリッチがどう変わるかも重要です。
■ 最後に正直な感想
派手さはあります。
でも心に残るのは、
戦闘ではなく“視線”。
ジェイクとクオリッチとスパイダーの
あの気まずい沈黙。
あそこに全部詰まっていました。
アクション超大作なのに、
中身はかなり人間ドラマです。
また、個人的に、人間の富裕層の延命装置のために高度な知性を持つ生き物「トゥルクン」が虐殺されるシーンが観ていて本当に苦しいので、
今作ではないといいな~と思っていましたが、しっかりあります。
心がざわつく場面なので、これから観る方はちょっと覚悟しておいてくださいね。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!
